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クラシック音楽、ラグビー、それから・・・

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クラシック音楽のコンサートやCDの感想、ラグビーその他スポーツ観戦記録、夏目漱石のことなど思ったことを徒然なるままに。
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東京都交響楽団第845回定期演奏会Bシリーズ

2017/12/17 02:21
東京都交響楽団第845回定期演奏会Bシリーズ
2017年12月16日  19時00分 サントリーホール
ヤクブ・フルシャ(指揮) 東京都交響楽団
マルティヌー:交響曲第1番H.289
ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68


 再び惜別のコンサート。今度は首席客演指揮者として本当のおしまいです。とはいってもプログラムには再来年には客演しそうな暗示があります。

 今回はマルティヌーとブラームスの1番同志のプログラム。若書きではなく、考え方がブラームスの1番に結びついてしまうと、マルティヌー。やや晦渋な曲ですが、フルシャは解りやすく指揮していました。都響B定期盛り上がります。前半で早くもブラボーの声。

 後半はブラームスの1番です。第1楽章は思ったより軽やかに進めます。そして第2、第3楽章、ホッと一息というところですが、美しい両楽章でした。ここで木管や金管のソロが活きます。
オーボエの広田氏、フルート柳原氏、クラリネットサトー氏、ホルン西條氏ら。そしてヴァイオリンソロはコンサートマスター矢部達哉氏。
 終楽章はスッキリした透明感を持った盛り上がり、激情的になりすぎず見事な演奏でした。花束贈呈とソロカーテンコール1回。

 フルシャの功績の第1はスークの紹介でしょう。心情は日本人にも通じるところがあります。いい共感たっぷり、他の曲もそうですが客観的で、情に溺れたり、角を立てるところがありません。スケールの大きさもあり、すでにチェコ指揮者の中でも頭一つ抜け出しています。次の協演が楽しみです。

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東京都交響楽団第844回定期演奏会Aシリーズ

2017/12/12 08:50
東京都交響楽団第844回定期演奏会Aシリーズ
2017年12月11日  19時00分 東京文化会館
ヤクブ・フルシャ(指揮) 東京都交響楽団
ドヴォルザーク:序曲「オセロ」作品93B.174
マルティヌー:交響曲第2番H.295
ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73


 今シーズンで首席客演指揮者を退任するフルシャ、そして1年以内に定年を迎える私、Bシリーズも行きますが、文化会館でのフルシャとの惜別です。

 最初のドヴォルザーク、感情や情景を細かく劇的に演奏していました。フルシャの別の面を見た演奏でした。

 次にマルティヌー、チェコの作曲家のマルティヌーは時に演奏されますが、それどころかあまり演奏されない複雑な面を持つスークの曲を積極的にフルシャは指揮してくれました。マルティヌーは1番と違い、アメリカの風のお洒落を少し恥ずかしそうに取り入れた軽やかな曲ですが、フルシャは解りやすく演奏してくれました。おだやかなブラームス2番と並べているのかと思いました。

 しかし後半のブラームスは第1,2楽章はやや遅めのテンポで、作曲家の心の襞にまで入ってゆくような、そしてデモーニッシュな演奏でした。フルシャの意外な一面を見ました。第3楽章はあっさりと、そして圧巻は終楽章でした。音楽は力強く思慮深く進み、最終盤の追い込み。ブラームス2番とフルシャの新しい局面が解ったいい演奏でした。
 都響はフルシャが振るときのやや渋い音色、オーボエの広田氏、その他の管楽器のソロも魅力的でした。
 コンサートマスターは四方恭子氏。

 心のつかえが取れたようないい気分で上野駅へ。
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ピエール=ローラン・エマールピアノリサイタル

2017/12/07 22:51
ピエール=ローラン・エマールピアノリサイタル
2017年12月6日 19時 東京オペラシティ:タケミツメモリアル
ピエール=ローラン・エマール(ピアノ)
メシアン:幼子イエスにそそぐ20のまなざし


 先週に続きまたメシアンです。理解できなかったメシアン、また今日もかと。気が重い往路でした。
しかしピエール=ローラン・エマールの暖かくて柔らかい、ベトッとしない温もりのある音色が救ってくれました。あえて20曲のタイトルを考えず、聴きました。

 ピアニストの奏でる20のまなざし、理解はできなかったものの、その響きの中に浸ることができました。
 キリスト教的な意味は理解できませんが新鮮な響き、時おり聞こえる鳥の声、そしてドビュッシーやラベルの面影。

 いい演奏でした。先週のコンサートでは混迷の度を深めてしまいましたが、少しは解ったかなと。メシアン改めて20世紀を代表する作曲家と思いました。
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読売日本交響楽団第606回名曲シリーズ

2017/11/26 23:18
読売日本交響楽団第606回名曲シリーズ
2017年11月26日  14時00分 サントリーホール
シルヴァン・カンブルラン(指揮) 読売日本交響楽団
天使:エケーメ・バラート(ソプラノ)
聖フランチェスコ:ヴァンサン・デ・テクシエ(バリトン)
思い皮膚病を患う人:ペーター・ブロンダー(テノール)
兄弟レオーネ:フィリップ・アディス(バリトン)
兄弟マッセオ:エド・ライオン(テノール)
兄弟エリア:ジャン=ノエル・ブリアン(テノール)
兄弟ベルナルド:妻屋秀和(バス)
兄弟シルヴェストロ:ジョン・ハオ(バス)
兄弟ルフィーノ:畠山茂(バス)
新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
冨平恭平(合唱指揮)
ヴァレリー・アルトマン=クラヴリー、大矢素子、小川遙(オンド・マルトノ)
メシアン:歌劇「アッシジの聖フランシスコ」(演奏会形式、全曲日本初演)

 一生聴けないと思い、読響とは相性が悪いながらもチケット購入。大変な大作でした。演奏者、関係者の努力の賜物でしょう。14時開演で終了が19時40分程度でした。途中35分の休憩2回。

 しかし疲れました。ワーグナーを聴いた後の満足感とは違います。様々なことを考えました。
 まずは題材がキリスト教であり、仏教徒にとりメシアン自身の台本の意味が解りません。2回ほどウトウト。

 それから第2幕が2時間、もちろん続けて演奏されました。数人途中で退席しました。普段の演奏会ならマナー知らずもいいところですが、今回は同情しました。音楽の流れもあるでしょうが5分程度でも中休みができないかと。当然こちらも集中力も欠きます。

 読響の安定感は相変わらずです。しかしメシアンの色彩や微妙な鳥の鳴き声の違いが表現されません。モノクロの鳥を見るようでした。読響の評価は最近高く確かに各パートとも安定していますが、色彩を表現できない昔の日本のオーケストラの様です。しかしシロフォン、シロリンバ、マリンバの3人の鮮やかな技巧派見事でした。これだけでも耐えたかいがありました。コンサートマスターは長原幸太氏。

 カンブルランの思いのこもった演奏でした。

 翌日の仕事も考え終了後すぐに退席しました。
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モンテヴェルディ生誕450年記念歌劇《ポッペアの戴冠》

2017/11/25 00:44
モンテヴェルディ生誕450年記念歌劇《ポッペアの戴冠》
2017年11月23日 東京オペラシティ 16時
鈴木優人(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン
ポッペア:森麻季(ソプラノ)  ネローネ:レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
オットーネ:クリント・ファン・デアリンデ(カウンターテナー)
オッタ―ヴィア:波多野睦美(メゾソプラノ) 
セネカ・警察官:ディングル・ヤンデル(バス) 
フォルトゥナ/ドゥルジッラ:森谷真理(ソプラノ) 
ヴィルトゥ/ヴェネレ:澤江衣里(ソプラノ) アモーレ/ヴァレット:小林沙羅(ソプラノ)
アルナルタ/乳母/セネカの友T:藤木大地(カウンターテナー)
兵士T/ルカーノ/セネカの友U:櫻田亮(テノール)
メルクーリオ/セネカの友V/執政官:加ク徹(バリトン)
ダミジェッラ/アモーレU
パッラーデ/アモーレV:清水梢
兵士U/リベルト:谷口洋介
舞台構成:田尾下哲
モンテヴェルディ:歌劇《ポッペアの戴冠》(演奏会形式)アラン・カーティス版


 めったに実演で聴けない、日本では有名な歌手が出る、といった動機で行きました。
あらすじどころか、登場人物が好き勝手に行動し、それぞれの道を歩むといったストーリーです。結局人生何と
かなるよ、といったところでしょうか。

 歌手陣はそれぞれの個性を生かした歌唱だったっと思います。なかでもレイチェル・ニコルズは皇帝としての風格、地味ながら安定した声質と歌唱は見事でした。
鈴木優人指揮のBCJ,時にモンテヴェルディの驚くような現代に通じる響きを出していました。コンサートマスターは若松夏美氏。

 ステージの前と後ろを使った演奏会形式ですが、抽象的な表現が多くこういう題材こそ本格的な舞台で読み替え演出が生きるのかなと。字幕は滑らかさがなく、もう少しこなれた訳であればというのは贅沢な不満でしょうか。

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MET Live Viewing 2017-2018「ノルマ」

2017/11/19 22:29
MET Live Viewing 2017-2018
べッリーニ:歌劇「ノルマ」(20017年10月7日現地上演分)
2017年11月19日MOVIXさいたま

ノルマ:ソンドラ・ラドヴァノスキー(ソプラノ)
アダルジーザ:ジョイス・ディドナート(メゾソプラノ)
ポッリオーネ:ジョセフ・カレーヤ(テノール)
オロヴェーゾ:マシュー・ローズ(バス)

カルロ・リッツィ(指揮)
メトロポリタン歌劇場管弦楽団
メトロポリタン歌劇場合唱団
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
解説:S.フィリップス

 今年のラインナップは小粒、魅力なく止めようかなと思っていましたが、全10作鑑賞は毎年の目標なので、何とか行くことに。
 ドニゼッティとともに苦手な傾向のオペラです。感情が表に出すぎて、細やかな心理描写がなく考える楽しみが ありません。

 S.フィリップスの解説デビュー、適切な質問で歯切れよくまずまずでした。そして久々のリッツィ、期待していましたが、やはり気がつかない面を表出させることもなく無難な指揮でした。

 しかしラドヴァノスキー、ディドナートの女声陣圧倒的です。ラドヴァノスキーはノルマの立場と矛盾を圧倒的に表現、ディドナートもきめ細かくスキのない表現ですが、ロッシーニ当たりの方が向いているかも。カレーヤも過不足のない出来でした。

 演出のデイヴィッド・マクヴィカー、ガリア地方の文化や風俗も研究したと、地味ですが納得のいく内容でした。

 次回は苦手な魔笛です。行かねば済むのですが・・・。
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日本フィルハーモニー交響楽団第695回東京定期演奏会

2017/11/18 23:21
日本フィルハーモニー交響楽団第695回東京定期演奏会
2017年11月17日  19時00分 サントリーホール
ピエタリ・インキネン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団
ラウタヴァーラ:In the Beginning(日本フィル共同委嘱作品、アジア初演)
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調WAB105

 最初のラウタヴァーラは「ブルックナーのような音響」とのことで第5番の前に。

 次いでブルックナー。言いたいことを言い切ったような爽やかなブルックナーでした。崇高、大伽藍を仰ぎ見るような、などとは無縁の知人同士のおしゃべりのようなブルックナーでした。崇高なブルックナーが好きな人には不満でしょうが、悔いのない演奏でした。

 しかし日フィルの弦は音色の統一感がなく薄い感じです。木管はいい出来と思いますが、金管が薄っぺらく、ブルックナーの魅力が半減です。
 コンサートマスターは扇谷泰朋氏。
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東京都交響楽団第842回定期演奏会Aシリーズ

2017/11/08 23:59
東京都交響楽団第842回定期演奏会Aシリーズ
2017年11月8日  19時00分 東京文化会館
ハンナ・リントゥ(指揮) 東京都交響楽団
ニーナ・ケイテル(メゾソプラノ)
トゥオマス・プルシオ(バリトン)
フィンランド・ポリテク男声合唱団
サーラ・アイッタクンプ(合唱指揮)
シベリウス:クレルヴォ交響曲作品7
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26男性合唱付き

 大変な熱演でした。冷静と思っていたハンナ・リントゥ、只者ではありません。第1,2楽章は冷静に進みましたが、第3楽章で独唱や合唱が登場すると、燃えるような演奏に。とはいっても元々冷静派ですから崩れはしません。クッレルヴォが妹を襲ってしまう場面です。ニーナ・ケイテルは忠実で美しい歌唱、トゥオマス・プルシオは下品にならない力強い表現です。でそれにもましてフィンランド・ポリテク男声合唱団の落ち着いた腹の底から、しかも自家薬籠中のフィンランド語の合唱。この迫力。
 
 第4楽章はオーケストラのみですが、都響も最近でも出色の演奏でした。暗くて力強い音色の弦楽器、ほれぼれする管楽器のソロ。燃えてました。
コンサートマスターは山本友重氏。

 第5楽章でクッレルヴォが自死する経過をまた合唱団が冷静に力強く歌います。
プログラムのリントゥの言葉から、英雄がとんでもなお惨事に遭遇したときどうしようもない、これは暴力や非行の象徴だと。悲しい結末でした。このままでは絶望です。

 しかし予告されていたアンコールのフィンランディアが救います。再びプログラムからの要約、フィンランディアは様々な文化や言語の人々に希望をもたらすと。
 本当にそうなればと切実に願う今日この頃です。

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ペルゴレージ歌劇オリンピーアデ2017年公演

2017/11/06 00:24
ペルゴレージ歌劇オリンピーアデ2017年公演
2017年11月5日 紀尾井ホール 15時
河原忠之(指揮・チェンバロ)紀尾井ホール室内管弦楽団
クリステーネ:吉田浩之
アリステーア:幸田浩子
アルジェーネ:林美智子
リーチダ:澤畑恵美
メガークレ:向野由美子
アミンタ:望月哲也
アルカンドロ:彌勒忠史
粟國淳(演出)
ペルゴレージ:歌劇「オリンピーアデ」


有名な歌手がそろっている、ペルゴレージの歌劇など一生聴けへんわ、と思ってチケット買ってしまいました。四ツ谷駅を降り上智大学の横を通り初めての紀尾井ホールへ。まず自分がこんな上品な所にきていいのかとの疑問。

 演奏はどの歌手もいい歌唱で、満足でした。特に彌勒忠史は本物です。河原忠之指揮の紀尾井ホール室内管弦楽団も硬質で精妙な音色。

 粟國淳の演出も舞台向かって右側に数段の階段とどぎつくない照明の変化と、自然な演技で納得できました。しかしアリステーアとアルジェーネの髪形何とかしてよととも思いました。

 モーツアルトのオペラの原型ともいうべき、ややこしい人間関係と音楽。まあこんなものかといった作品です。
でも演奏と演出でもう少し変わるのではとも思った次第です。
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東京都交響楽団プロムナードコンサートNo.375

2017/11/04 00:27
東京都交響楽団プロムナードコンサートNo.375
2017年11月3日 サントリーホール 14時
ハンナ・リントゥ(指揮)東京都交響楽団
ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43


 何気なく名手を配置する都響のプログラム。そしてお腹にもたれないメインディッシュが二つもという満足な演奏会でした。

 まずはベートーヴェン、エーベルレの奇をてらわない自然体の、しかも全身にしみ込んだようなベートーヴェン。もちろん気合が入りすぎたり熱狂するわけでありません。肩の力の抜けたやや憂愁を含んだこの曲をこんなに自然に表現してくれました。品のいい音ですがお嬢様芸ではありません。第1、第3楽章でのむづかしいそうなカデンツァをさりげなく聴かせます。リントゥと都響ももちろん好サポート。アンコールはプロコフィエフの無伴奏・ヴァイオリンソナタ作品115から第2楽章、さりげない技巧。控えめなステージの所作も見事でした。

 後半のシベリウス。2年前に生誕150年でリントゥと新日フィルのコンビで何曲か聴きましたが、プロムナードコンサートとあって第2番。第1楽章から都響のやや暗色の弦、いつものように魅力的な管楽器のソロ、特にオーボエ広田氏とトランペット高橋氏。そして新日フィルの時も同様でしたが、これもリントゥの自然体で身体にしみ込んだシベリウス。けっして劇的でなくやたらと感情を揺さぶる訳ではなく、解りやすい演奏です。これら自然体の積み重ねが終楽章の盛り上がりへと帰結します。一音一音が無駄なく有機的につながり、そして都響も応えます。
 コンサートマスターは矢部達哉氏。
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真実のディーリアス

2017/11/03 00:26
真実のディーリアス
2017年11月1日 王子ホール 19時
小町 碧(ヴァイオリン)
米津真浩(ピアノ)
ディーリアス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタロ長調(遺作)
ディーリアス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番
ディーリアス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番
ディーリアス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番


 思わぬ企画、まさかのオールディーリアスプログラムです。

 最初の遺作、といっても1893年初演、1957年に楽譜が発見され遺作となっていますが、
最初のヴァイオリンとピアノのためのソナタです。いわゆる後年の「ディーリアス的な雰囲気」の萌芽のような作品です。

 そして2曲目から小町自身の解説付き。ディーリアスはヴァイオリンを持ち歩き、人生の節目節目にヴァイオリンとピアノのためのソナタを作曲していると。
 第1番は9年かけて作曲され、その間に第一次世界大戦をはさんでいます。「ディーリアス的な雰囲気」と戦争への恐怖が共存したような作品です。

 後半は単一楽章の第2番。ノルウェーに滞在中から作曲されました。まあディーリアスと思う作風です。小町自身の解説ではヴァイオリン協奏曲の自筆?楽譜を見たところ当時のイギリスのヴァイオリニスト、アルバート・サモンズが大幅に修正しており、サモンズ作曲のヴァイオリン協奏曲といった趣だったと。

 最後は第3番。梅毒が悪化し、エリック・フェンビーとの共同作業により作曲された最初の作品。フェンビーの著書によると、第2楽章の「タータター」というディーリアスの口述の楽譜化等困難を極めたと。ゴーギャンの絵画作品に通じるものがあったとは、小町の解説。「ディーリアス的な雰囲気」をたっぷり味わえる曲目でした。
演奏は小町のディーリアスへの共感があふれ、また米津も好サポートです。

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オーケストラの個展U2017

2017/11/01 23:50
オーケストラの個展U2017
2017年10月30日 サントリーホール 19時
杉山洋一(指揮)東京都交響楽団
木村かをり(ピアノ)
児玉桃(ピアノ)
成田達輝(ヴァイオリン)
堤 剛(チェロ)
一柳 慧:ピアノ協奏曲第三番「分水嶺」(1991)
湯浅譲二:ピアノコンチェルティーノ(1994)
湯浅譲二:オーケストラのための軌跡(2017~)(未完成作品)
湯浅譲二:クロノプラスティクU-エドガー・ヴァレーズ讃-(1999-2000)
一柳 慧:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(2017世界初演)

 プレトークで湯浅氏が一柳氏を評して「ジョン・ケージの弟子だが意外と保守的」のような発言をされていたが、まさに昭和の香りの残った曲。木村かおりのおっとりしておとなしいピアノ。

 ついでのピアノコンチェルティーノ。ピアノの本体が入れ替わり、児玉桃の華やかで切れのいい音が心地いい作品です。スパッと気持ちのいい演奏でした。

 後半は当初の予定だった作品が湯浅の体調で完成せず、一部のみ演奏。これだけでは何とも言えません。
次いでその代替として演奏された、クロノプラスティクU-エドガー・ヴァレーズ讃-シャープで切れの良い作品で、杉山により解りやすく演奏されました。湯浅自身も演奏に気にいたらしく、予定外にステージへ。袖から杉山が湯浅の手を引きステージへ。満足な作曲家の表情でした。

 最後はヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲。成田達輝の衒いのない正統派の演奏。美音、技術テカテカというのでではなく、格調の高さ、品の良さを感じます。堤の腹の底から出てくるような深々とした音色。古典的ながらまとまった作品でした。一柳もステージへ、そして湯浅も呼び寄せます。二人の人生を感じるいい光景でした。

 それにしてもこれら現代作品の杉山の演奏の解りやすさ、まさにスペシャリストです。そして都響の適性。ふんわりとした弦。管楽器の聴かせるソロ。改めて実力と現代音楽への適性を感じました。
 コンサートマスターは山本友重氏。
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プッチーニ歌劇「トスカ」

2017/10/29 01:25
プッチーニ歌劇「トスカ」
2017年10月27日 東京芸術劇場 18時30分
広上淳一(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団
トス香:ルイザ・アルブレヒトヴァ(ソプラノ)
須賀ルピオ:三戸大久(バス・バリトン)
カバラ導師・万里生:アレクサンドル・バディア(テノール)
アンジェロッ太:森雅史(バス)
堂森:三浦活次(バス・バリトン)
スポレッ太:与儀巧(テノール)
シャル郎:高橋洋介(バリトン)
看守:原田勇雅(バリトン)
牧童:鳥本雅生
東邦音楽大学合唱団
TOKYO FM合唱団
河瀬直美:演出

 プログラムより、河P直美の言葉を要約、希望のない悲劇に希望の光を見出したい、と。残念ながら総選挙と同じ結果でした。

 第1幕は教会ではなく、神社の中を想定したセット。舞台正面奥のカーテンらしきところから人が入れ替わり、時に背景に富士山が。第2幕は同じ枠組みでスカルピアの部屋。第3幕は同じく牢屋と処刑場?

 希望の光は最終盤トスカが身を投げでそのままフェニックスのようになる、という平凡な演出でした。身投げした後、舞台に白い吹雪が、余韻を味わいそれで終了、というところでしたが身投げ直後から拍手が起こり興ざめでした。広上自身が途中のアリアの拍手を含め、指示を出していたのですが・・・。

 歌手陣ではルイザ・アルブレヒトヴァが清澄な声でトスカの心情を歌い、カバラ導師・万里生のアレクサンドル・バディアも輝かしさはないもののまずまず。須賀ルピオの三戸大久他も無難な歌唱と演技でした。

 広上と東フィルは抒情に溺れることのない、客観的な演奏でこの曲の本質を見出していました。オペラらしいさすが東フィルといったいい演奏だったと思います。

 がっかりとして家路へ。前項で書いたパワハラ男からさらにパワハラ、少しでも気がまぎれると思いましたが・・・。
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東京都交響楽団第841回定期演奏会Bシリーズ

2017/10/25 00:28
東京都交響楽団第841回定期演奏会Bシリーズ
2017年10月24日 サントリーホール 19時00分 
小泉和裕(指揮) 東京都交響楽団
アリーナ・イブラギモア(ヴァイオリン)
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番Sz.112
フランク:交響曲ニ短調

 職場の上司の年一度の定期面接、君のした仕事は君が思っているほど評価されていない、定年前の来年4月から干す(排除する)と。もちろん猛反発し、病を市に出しました。また最近排除して墓穴を掘った方がいました。
 今日のコンサートを聴いて胸がつかえがおりました。排除とは無縁の世界です。

 アリーナ・イブラギモアの決して技巧をあざとく表に出さない表現、華やかさはないけれども品のいい音。バルトークを解りやすく、あっさり演奏した、何のことはないと。小泉と都響もバルトークの原曲や音を排除しない誠実な協演でした。アンコールなしは大歓迎です。

 後半のフランク西條氏のホルン、広田氏のオーボエ、南方氏のイングリッシュホルンが魅力的でした。そして調和のとれた金管群。どうしても実演で初めて聴いたのはバレンボイム指揮パリ管弦楽団でしたので、パリ管の音色が頭から離れません。しかし今日の演奏は際立った特徴はないものの、日常のありがたさを実感する演奏でした。
 作曲家もオーケストラのメンバーも誰も排除されない演奏でした。
 コンサートマスターは山本友重氏。

 排除されるべきは、その言葉を発したあなた方です。

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アジアオーケストラ ウィーク 2017 関西フィル

2017/10/07 22:23
アジアオーケストラ ウィーク 2017 関西フィル
2017年10月7日 東京オペラシティ 16時
オーギュスタン・デュメイ(指揮、ヴァイオリン) 関西フィルハーモニー管弦楽団
ショーソン:詩曲作品25
ラヴェル:ツィガーヌ
マスネ:タイスの瞑想曲
ビゼー:交響曲第1番ハ長調

 最近いろいろややこしいことが多く、曲目もろくに見てませんでした。会場でプログラムを見ると、前半はデュメイの独奏会ではありませんか。まあいいやとうことで。
前半3曲ではツィガーヌのリズム感と抑制されたバランスが光りました。ショーソンやマスネも甘すぎない洗練されたスイーツでした。

 後半のビゼー、第1楽章の躍動感(残念ながら楽章間に一人拍手)、第2楽章は誠実なオーボエの独奏、第4楽章の再びの躍動。デュメイの指揮ぶり様になっています。ピアノや弦、管楽器出身の指揮者は動作が上半身だけで不自然ですが、そうではありません。
コンサートマスターは岩谷祐之氏。

 初めて聴くオーケストラです。弦楽器はデュメイに似たややくすんだ音色、でも時に音色の統一感が気になるところも。
 菅打楽器とも過不足ない演奏でした。何回かは聴きたいと思いましたが、何か特徴があればというのが感想です。
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NHK交響楽団メンバーによるストラヴィンスキー「兵士の物語」

2017/10/01 00:42
NHK交響楽団メンバーによるストラヴィンスキー「兵士の物語」
2017年9月30日 ヤマハホール 19時
伊藤亮太郎(ヴァイオリン)西山真二(コントラバス)
伊藤圭(クラリネット)宇賀神広宣(ファゴット)
菊本和明(トランペット)新田幹男(トロンボーン)
竹島悟史(パーカッション)
桂 米團治(語り)

グリエール(F.プロト編):バイオリンとコントラバスのための組曲
ラヴェル(竹島悟史編):マ・メール・ロア
ストラヴィンスキー:兵士の物語


 家を出る前に家庭内でトラブルあり、新橋駅を降りて迷ってしまいました。
 まずはグリエール、伊藤さん、N響では少し委縮してますが今日は厚い音の自分の個性をだしていました。
次いでマ・メール・ロアですが、無味乾燥、まあこんなもんでしょう。

後半は高座が舞台前面にあり、桂米團治が座り一人三役で語りますが米團治自身が翻案した台本を用いたものです。上方落語本来の品のいい語り口で三役を演じますが、解りやすい台本です、米團治のあざとくなく自然な体位振る舞いがこの曲に光を与えます。淡々としたN響メンバーの演奏も見事でした。

 幸せはひとつでいい、心に響きました。
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第46回サントリー音楽賞受賞記念コンサート

2017/09/19 00:18
第46回サントリー音楽賞受賞記念コンサート
2017年9月18日 サントリーホール 18時00分 
広上淳一(指揮) 京都市交響楽団
中山航介、宅間斉、福山直子、大竹秀晃、高橋篤史(打楽器)
武満徹: フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム
    ―5人の打楽器奏者とオーケストラのための―
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調作品27


 都内以外のオーケストラでは最高と評判の京響、観客の入りも9割くらいで、どこかで見たようなお仲間も。私にとっては1971年?だかの神戸国際会館での渡邉暁雄指揮の第9以来です。

 最初は苦手の武満作品。しかしこれは理解でき共感できたつもりです。チベットを背景にマンダラの中心に座す5仏が発する色と同じ青、赤、黄、緑、白の五色を着た打楽器奏者が奏でます。もちろんオーケストラも。微風/独奏者たちの登場、予感、高原、環状の地平線、風が吹く、予感、蜃気楼、ひるがえる風の馬、約束の土地、生の歓びと悲しみ、祈り、といった題材が続きます。5人の打楽器奏者の演奏が精妙で見事でした。くっきりとした武満演奏で私も満足できました。

 後半はこれも苦手のラフマニノフ。第1,2楽章は気負いもあってか広上、京響もやや空回りの感はありましたが、べとつかない抒情の第3楽章、パワフルな盛り上がりの第4楽章は見事でした。広上のタクトも飛んでしまい、何回ジャンプしたか。

 京響は弦楽器は品のいい音色を奏でる反面、統一感がない場面もありました。管楽器ではクラリネットがお見事。でも何といってもオーケストラ全体の活気が最高です。東響、日フィルよりは実力上位と思いました。コンサートマスターはゲストの会田莉凡氏。
 アンコールの前に広上のスピーチの一部要約、「このようにお客さんと音楽の歓びが共有できる平和が長く続くように。」、が心に残りました。
 アンコールはチャイコフスキーの組曲第4番から第3曲「祈り」でした。
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東京都交響楽団第840回定期演奏会Bシリーズ

2017/09/12 00:39
東京都交響楽団第840回定期演奏会Bシリーズ
2017年9月11日 サントリーホール 19時00分 
大野和士(指揮) 東京都交響楽団
林正子(ソプラノ)
吉田浩之(テノール)
ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン)
スウェーデン放送合唱団
ペーター・ダイクストラ(合唱指揮)
渡邊孝(ピアノフォルテ、通奏低音)
ハイドン:オラトリオ《天地創造》Hob.XX1・2

 そういえばダイクストラというニューヨーク・メッツの選手がいたな、久々のサントリーホール、いいなとそんなことを思いつつ溜池山王へ。

 大野自身が都響のホームページで語っているように、第1部第2曲ハ長調の和音が光の出現を描写、なるほど眼が覚めました。ダフニスとクロエのような絵画的な光でなく、天から降り注ぐ光です。
第1部と2部は神による天地創造、第3部は楽園のアダムとエヴァを描いています。解りやすい内容で字幕に助けられました。
 
 大野とハイドンというと相性が合わないかなと思っていましたが、大変な誤解でした。さめた眼を持ちつつ絶妙なバランスでの情感の移入です。都響の精密な演奏、明るい弦楽器、魅力的な柳原氏のフルートなど。
独唱は林正子の輝かしいが抑制のきいたソプラノ、前半でやや微笑みながら糖分が入りすぎない甘い声の吉田浩之、品のいいバリトンのディートリヒ・ヘンシェル、

 そして今回は力強い合唱のスウェーデン放送合唱団とペーター・ダイクストラ。やはり只者ではありません。
という訳で輝かしいが抑制のきいた最近まれに見る素晴らしい演奏でした。同時にハイドンの偉大さを再認識するとともに、オーケストラ、独唱、合唱の組み合わせがのちのマーラーにつながったのかと思った次第です。

 コンサートマスターは矢部達也氏。

 ソロ?カーテンコール1回。

 第31曲のウリエルの歌詞「持つべき以上のものを望んだり、知るべき以上を知ろうとする、誤った妄想に駆られない・・。」身にしみました。
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ヴェルディ:オペラ「オテロ」演奏会形式

2017/09/09 11:32
ヴェルディ:オペラ「オテロ」演奏会形式
2017年9月8日 オーチャードホール 19時
アンドレア・バッティストーニ(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団
オテロ:フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ:エレーナ・モシュク
イアーゴ:イヴァン・インヴェラルディ
ロドヴィーコ:ジョン・ハオ
カッシオ:高橋達也
エミーリア:清水華澄
ロデリーゴ:与儀巧
モンターノ:斉木健詩
伝令:タン ジュンポ
新国立歌劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団(合唱指揮:掛江みどり)
演出:アンドレア・バッティストーニ


 コンサートの日程が決まらないうちに発表され、大いに期待していました。客席にもTVで見たような方が。
 
 バッティストーニ指揮東フィルの交響詩「イアーゴ」のような演奏でした。冒頭から客席を振り返らず激しく指揮を始め、聴衆を引き込みます。どの場面でも無駄なく、登場人物の心理描写、環境等を細かく表現してゆきます。抒情性、劇性も見事で、東フィルも統一感のある演奏です。気合が入っており、オペラ的演奏でお見事でした。
 歌手陣はイアーゴのイヴァン・インヴェラルディが光りました。表現力があり冷静な悪役ぶり血の凍る思いでした。オテロのフランチェスコ・アニーレは残念ながら声に張りがなく、オーケストラにしばしば声をかき消されていました。それゆえに弱いオテロを表現するためかと思った次第です。デズデモーナのエレーナ・モシュクは透明感のある美声ともいえますが、平板な感じを受けました。
 新国立歌劇場合唱団の合唱もオペラらしく、今更言うまでもありませんが、板についているなと。

 最後にバッティストーニ演出、残念ながら特徴がなく、あえて言えば最終盤で指揮台上で倒れているオテロに、イアーゴが客席から現れ指揮台に足をかけ、勝利宣言、といったところです。

 濃密で聴きごたえのあるコンサートでした。
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東京都交響楽団第838回定期演奏会Aシリーズ

2017/09/05 00:05
東京都交響楽団第838回定期演奏会Aシリーズ
2017年9月4日 東京文化会館 19時00分 
大野和士(指揮) 東京都交響楽団
ハオチェン・チャン(ピアノ)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30
ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調作品44

 まるで懐かしい作曲家の肖像シリーズのようなプログラムです。私にとってR.シュトラウスと並ぶ苦手な作曲家のラフマニノフ。
 
 まずはピアノ協奏曲第3番。ハオチェン・チャンは特に美音というわけであもなく、派手な技巧を見せるわけでもなく可もなく不可もなくといったところです。

 後半は難解な、というかつかみどころのない交響曲第3番です。それをそのまま加工せず、どうだとばかりの大野の指揮です。やはり発見がありました。前半の濃厚なラフマニノフ節と正反対の分裂質的なラフマニノフが浮かび上がりました。いろんな曲想が出ますが長続きしません、次から次へと顔が変わります。なるほど。
いつものように魅力的な管楽器、今日はややくすんだ色の弦。
コンサートマスターは山本友重氏。

 まずは満足の9月シーズンスタートです。
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